ノンジャンル系日記ブログだったはずが、今やほとんどラーメンブログ。何かの参考になることがあれば幸いです。横浜南部&東京都心メイン。
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    北島さんの言葉と、素人評論家が心に留めておきたいこと
    最近、ブログそのものやブロガーとしてのスタンスといったものに迷ったり悩んだり疑問を感じたりして行き詰っていたのですが、先日お亡くなりになったラーメン評論家・北島秀一さんが生前に書かれたFacebookに自分の答えとなるような記述を見つけましたので、無断ではありますが引用させていただきたいと思います。

    (以下引用)

    食べ物の感想とかレビューとかインプレは、自分が経験したうれしさを人に伝えたくて書くのが原則だと思う。まあ中には、どうしても批判したくなる場合もあるにはあるが。

    間違っても、自分を誇示する為に書く物ではない。誇示ってのは、例えば自分のグルメ三昧を自慢するとか、情報収集力を自慢するとか、味覚の鋭さを自慢するとか。ほんでもって、人に認めてもらいたいとか。(中略)

    これまでもいろんな実例を見てきた。また改めて自戒を込めつつ、「美味しい物食べるのは楽しいねえ」と書いて行きたいなっ。


    (引用ここまで)

    短い文章ではありますが、これだけで僕がどういうことに葛藤しつつ、同時に薄々ながらも「かくあるべき」と考えていたかをお察しいただけるのではないかと思います。



    少し前までの自分もそうだったのですが、ラーメンフリークの中でも「コレクター」と呼ばれる、訪問したお店の数であったり食べたメニューの多さを競うようなスタイルの食べ歩きをしていると、それはそれはいろんなタイプのお店やメニューに出会います(※1)。

    僕の場合で言えばある程度の下調べはしますので明らかに期待できそうになかったり好みでないことが予想される店は端から外しますが、それでも当たり外れは出て来ます。まぁ、人である以上それはごく当然ですし、もちろんそれが食べ歩きの楽しみでもありますが。

    そして残念ながら自分の口に合わない場合でもその程度は千差万別ですから、極力良かった部分をピックアップして書くこともあれば、北島さんがおっしゃるように批判的に書きたくなるケースもあります。

    しかし、よほどのことがなければその店(メニュー)について「何も書かない(記事にもしない)」ことはこれまで滅多にありませんでした(※2)。これは多くのコレクター的スタンスのブロガーが同様ではないでしょうか。何しろ数の多さが支えでありよりどころな訳ですから。

    ところがいつ頃からか、果たしてそれで良いのか、と思い始めたのです。

    なぜそう思うようになったのかといえば、よく言われることかも知れませんが、ラーメンほど店によってスタイルが異なる料理というのもなかなかないと思うんです。

    食べ歩く中でそのことが分かれば分かるほど、作り手の思いに触れれば触れるほど、自分でも作ってみればみるほど、ラーメンに「作り手の自己表現」という要素を強く感じるようになって行きました。

    かつてはそこを割り切ってシンプルに丼の中身と自分の嗜好をすり合わせるだけの単純作業をしていたわけですが、ちょっと待てよ、そこは切っても切り離せないのではないか、切り離すべきではないのではないか…と考えるようになったのです。そこは心境の変化としか言いようがないのですが。

    そうなってくると「人それぞれの自己表現」についてとやかく言うのはどうなのか、少なくとも、自分の好みでなかったものまでリアルに描写する必要があるのか、と思うようになりました。「自己表現」というのはその人のパーソナリティに基づくものだと思いますので。

    いったんそういった方向性で考え始めると、自分の断片的で中途半端でつたない分析をもってしてそれがすべてかのように語るのもいかがなものかといった気持ちも芽生え、だんだん自分の物差しで好きなように書くことが楽しめなくなってきたのです。

    そこへ来て北島さんの「食べ物の感想とかレビューとかインプレは、自分が経験したうれしさを人に伝えたくて書くのが原則なのではないか」という言葉を目の当たりにして、わが意を得たり、と思ったわけです。

    例えが適当か分かりませんが、例えば美術品、とりわけ絵画などは多くの人にとって「良いか悪いか」ではなく「好きか嫌いか」ですよね。ラーメンを芸術になぞらえるのは飛躍し過ぎかも知れませんが、少なくとも好きではないものについて語ることが有意義か否かという意味では似ていると思います。そう、自分にとって好きなもの、嬉しいものだけを語れば十分なのではないか、と。

    さらに北島さんの言葉は続きます。

    「間違っても、自分を誇示する為に書く物ではない。誇示ってのは、例えば自分のグルメ三昧を自慢するとか、情報収集力を自慢するとか、味覚の鋭さを自慢するとか。ほんでもって、人に認めてもらいたいとか」。この言葉も重いです。

    他人様のことはほっておけば良いのだけれど、僕と同じような立場の人、いや、もっとずっと食べ歩いていて注目度の高い人の中にも、他人のブログ等で得た情報をさも自分の知識のようにひけらかしたり、直接本人の目に触れないような場所でこれ見よがしに他人のレビュー等をこき下ろしたり、間違いを指摘して挑発したり、まさか自分がお店の人に煙たがられているとは思わないのか「作り手の思いを尊重しろ」などとお店の理解者気取りで警告を発してみたり、そういったことで仲間うちで盛り上がったり馴れ合ったり…、みんなどれだけ偉いの、どれだけ自信あるの、どれだけ面の皮厚いの、という人が少なくない。

    僕自身が昨今そういう同業(?)の方々に辟易していたこともあり、北島さんの言葉に溜飲を下げる思いだったというのも正直なところです。こんなことを書いている自分も以前は“そっち側”の人間だったかも知れませんが、最近でこそ生活スタイルが変わったことで、ラーメンばかり食べている極端な人達を客観的に見られるようになったのかも知れません。



    もちろん北島さんのおっしゃる「原則」が、あらゆる書き物に当てはまる正解ではないと思います。あくまでの今の自分にとっての着地点であり、むしろ歯に衣着せぬ物言いの方がより多くの方にとって参考になるのが現実かも知れません。

    しかしそれでも「『美味しい物食べるのは楽しいねえ』と書いて行きたいなっ」という北島さんが残してくれた言葉が、多くの素人評論家に示唆を与えるものであって欲しいと思います。もちろん自戒も込めて…



    ※1 元来の僕は好きなものを繰り返し食べる完全なる「リピーター」タイプでしたが、ラーメン・つけ麺の奥の深さに気づかされて以来、未知との遭遇を求めるようになった次第です。

    ※2 口に合わない店というより、「そっとしておいた方が良さそうな店」については書かないこともありました。
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    テーマ:ラーメン - ジャンル:グルメ

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